低身長について

小児内分泌疾患はお子さんの成長だけでなく、生活の質(QOL)にも影響します。また小児期だけでなく成人期にも影響しますので、専門医による適切な医療が必要です。
受診の際には母子手帳と、園や学校での成長の記録をご持参ください。

低身長は小児内分泌で外来を受診する方が最も多い主訴です。低身長は同性同年齢の平均値からどれくらい離れているかを示す「標準偏差(SD)」で表しますが、一般的に-2SD以下の身長を低身長と呼んでいます。1000人で23人ほどが該当します。また1年間での成長速度(成長率)も評価する必要があります。成長の評価には成長曲線(※参考1)を用いますが、-2SD以下の低身長である場合(※参考2)や、1年間での成長が4cmを下回る場合は医療機関の受診が推奨されますので相談してください。それから、まだ思春期年齢(平均的には女児は10歳以降、男児は11歳以降)にならないのに、身長がぐっと急激に伸びている場合には、次の項でも触れる思春期早発症の可能性がありますので受診してください。

低身長の原因

低身長の原因は様々で、ほとんどは体質性や家族性によります。中にはSGA出生(在胎週数の割に身長や体重が小さく生まれること)で2〜3歳になっても成長が追いつかない(キャッチアップしない)SGA性低身長症や、成長ホルモンの分泌不全、甲状腺機能低下、性ホルモンの分泌異常、腎臓・肝臓・消化管といった内臓疾患、骨や軟骨の疾患、遺伝子や染色体の異常、栄養不良、心理社会的影響(虐待や大きなストレス)なども低身長の原因となります。また腫瘍性や炎症性疾患で成長速度が低下することがあります。そのため、低身長の原因をしっかり鑑別することが重要です。

検査と治療

当院では問診と診察を行い、成長曲線を作成した後に、必要に応じて血液検査や尿検査、レントゲン検査(骨の発育状態や変形がないかをみるため)、成長ホルモン分泌刺激試験を行います。成長ホルモン分泌刺激試験は検査の際に注意事項がありますので、検査の必要性があれば日程調整を行わせていただきます。またMRI検査などの画像検査が必要な場合には他院での撮影をお願いしています。

成長ホルモンの分泌不全がある場合や、治療の適応がある疾患の場合は成長ホルモン治療を行います。
成長ホルモン以外の治療として大事なのは蛋白質を中心に十分な栄養を摂ること、定期的に運動すること、そして生活時間を規則正しくして十分な睡眠を取ることです。
身長を伸ばすサプリメントなどがインターネットなどで宣伝されていますが、ほとんど医学的根拠がなく、身長を伸ばすことは期待できません。もし、これはどうなのかと気になる物があれば受診された際にご相談いただければと思います。
低身長は病気でないことが多いですが様々な原因があり、原因をしっかり見極めて適切な治療を行う必要があります。お子さんの成長に関して気になることがあれば、いつでも気軽にご相談ください。検査で異常がない場合も多く、また身長のことを気にしすぎてしまうお子さんや保護者の方もおられますので、他の良い面にも目を向けてあげるようにしてください。

参考1

成長曲線(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社提供)

低身長参考画像 低身長参考画像

参考2

性別年齢別-2SDとなる身長の目安

年齢(歳) 男児(cm) 女児(cm)
3 86.4 85.5
4 92.5 91.9
5 98.1 97.7
6 103.8 103.4
7 109.5 108.8
8 114.7 113.9
9 119.7 118.8
10 124.5 123.9
11 128.9 130.2
12 133.9 137.0
13 140.7 142.3
14 148.6 145.3
15 154.7 146.5