• 2022年2月20日

小児の新型コロナワクチンについて

日本でも5歳から12歳までの新型コロナワクチンの接種が始まります。重症化予防効果についてはこれまでの海外および我が国の実績をみても明らかであり、重大な基礎疾患をお持ちのお子さんや肥満のお子さんは接種が勧められます。一方、もっとも重症化しにくいこの年齢層の健康なお子さんへの接種についてはメリットが見えにくく、受けさせるべきかどうか悩ましいことと思います。厚生労働省の小児の新型コロナワクチンについてのサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_for_children.html)にもかなりわかりやすく書かれていますが、当院の現時点での考え方についても少し書いておきたいと思います。
 
1)感染予防効果について
ワクチンが使用され始めた頃は感染予防効果も高かったのが、オミクロン株になってかなり低下しました。しかし、それでも厚生労働省のホームページに掲載されている2/14の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料では、例えば12歳から19歳でワクチン2回接種済みの場合、10万人あたりの感染者数は未接種者の3割以下と低く、やはり感染しにくくはなるようです。ただ、その効果は時間とともに低下することも報告されており、接種したからといって感染しないとか、他の人に感染させる恐れがないということにはなりません。
 
2)重症化予防効果について
高齢者を含む成人の重症化予防効果は明らかで、小児においても期待できると思います。ただ、小児はもともと重症化しにくいので、その効果は他の年代に比べると小さいでしょう。しかし、欧米では小児の重症例が稀ならず報告されており、日本でも小児の感染者が多くなると重症例や死亡例が出る可能性はあります。
 
3)副反応について
①短期的な副反応について
接種後の発熱、頭痛、倦怠感、局所の疼痛や腫脹などが一定数確認されていますが、12歳以上に比べて頻度が低かったというデータもあり、現在までのところ重大な安全性の懸念はないとされています。
②長期的な副反応について
厚労省のホームページにも書かれているように、現在使用されているm-RNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは体内に入ると短時間で分解され、からだの遺伝子に組み込まれることはありません。また、ウイルスの遺伝子の情報が長期間残って精子や卵子の遺伝子に組み込まれることもないと考えられています。もしワクチンでこのようなことが起こるとすれば、自然の感染では非常に多量のウイルスが体内に入り込むわけですから、そのリスクは感染する方がよっぽど大きいことになります。
 
このように、ワクチンの安全性については発熱などの頻度は一般のワクチンに比べて高いものの、重い副反応については変わらないと考えていただいていいと思います。自然に感染する方が良いと考える人もおられますが、小児でも感染後の体調不良の存在が指摘されていることもあり、ワクチンで免疫をつけておくことは無駄ではないでしょう。
以上、少しは受けるかどうかの参考になったでしょうか?このワクチンの主な目的は重症化予防なので、重症化しやすい人が優先して受けておくことが大前提です。小児については、受ける選択も受けない選択もどちらも間違いではないので、焦って決める必要はないと思います。

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