• 2025年3月17日

かぜとかぜ薬について

久しぶりのブログです (^^) 今回はちょっと堅苦しい文章が多くて、すみません💦 わかりにくいところがあったら、また受診された時にご質問くださいね。

「かぜ」の定義は、咳、鼻水、のどの痛みなど、上気道(鼻、のど)の炎症による症状がみられる状態で、ひとつの病気というわけではなく「かぜ症候群」でと呼ばれます。炎症がさらに下気道におよぶと、気管支炎、細気管支炎、肺炎などを起こすことがあります。かぜ症候群の原因の80〜90%はウイルスで、残りは溶連菌やマイコプラズマ、その他の細菌です。

かぜの大部分を占めるウイルス感染に対して抗菌薬は効きませんし、咳や鼻水に有効な薬は残念ながらありません。以前は私も鼻水に対して抗ヒスタミン薬、咳に対してはいわゆる咳止め(鎮咳薬)を処方していました。しかし、眠気の強い抗ヒスタミン薬は熱性けいれんを起こした時に止まりにくくなることがあるということから使われなくなり、眠気の少ない方は花粉症やアレルギー性鼻炎には有効ですがかぜに鼻水には効きません。鼻水は薬に頼らず、吸引器具で吸ってあげてください。また、コデイン類を含む咳止めは呼吸抑制のリスクがあるため、2019年から12歳未満の小児に禁忌となり、ふつうの「咳止め」薬は小児科グループの検討で有効性が確認されませんでした(外来小児科 Vol. 22 No. 2(2019))。

そのため、当院では乳幼児のかぜに対して鼻水を止める薬や咳止めはお出ししません。かぜは薬を使わなくても、ほとんどは自然に治ります。また、咳に対して「テープ」を貼って来られるお子さんがちょくちょくありますが、このテープは気管支を拡げる薬であって、気管支ぜんそくに使う薬です。ぜんそくに似た気管支炎にも使うことがありますが、咳を止める薬ではありませんので普通のかぜには無効で安易に使う薬ではありません。

咳に対してハチミツが有効であるという報告が以前からありましたが、日本外来小児科学会所属の小児科医が2021年11月から約2ヶ月間におこなったグループ研究(当院も参加)でハチミツの効果を調べました。ハチミツとハチミツによく似た偽薬を2つのグループに分けたかぜ症候群のお子さんに投与したところ、いずれのグループにおいても有意に咳の減少が認められました。つまり、ハチミツはかぜ症候群の咳を抑える効果はあるものの、ハチミツそのもの薬理作用のというよりはハチミツに似た甘いものが効果がある可能性が示唆されました(Acta Paediatrica. 2022;00:1–8.)。

そんなわけで、初めての方は面食らわれるかもしれませんが、当院では乳幼児の咳に対してはハチミツをお出しすることが多いです。また、年長児には漢方薬を処方することもあります。なお、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)を伴う場合や、呼吸が速いあるいは荒いなど呼吸困難を伴う場合はふつうのかぜとは違って緊急性がありますので、なるべく早く受診してください。それから、就学前後くらいからのお子さんで、熱もなく2週間以上ひどい咳が続く時は百日咳の可能性もあります。生まれたての赤ちゃんが百日咳にかかると重症になりやすいので、注意してください。

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