• 2018年2月12日
  • 2024年10月20日

常備薬

それまで元気にしていたお子さんが急に高い熱を出したり、お腹を痛がったりといったことはよくあることで、皆さんも経験がある方が多いと思います。しかも、それが夜間や休日だったら心配になりますね。じゃあ、救急を受診? いえ、ちょっと待ってください。
元気にされていたお子さんが急に熱が出した場合、ほとんどは風邪(ウイルス感染)です。救急を受診してもせいぜい解熱剤を処方されるくらいですし、今のようにインフルエンザが流行っている時などはうつしてもらいにいくようなもので、メリットはありません。インフルエンザであったとしても、発熱して半日から1日経たないと検査はしてもらえないでしょうし、そもそも急いで受診する必要はありません。それよりも、自宅で安静にしている方がよっぽどいいです。

自宅で看病する際に、家に解熱剤を置いておくと安心ですね。解熱剤は熱があるからといって安易に使うべきではなく、これが無いとダメってことはぜんぜんありませんが、熱のせいであまり眠れないとか、機嫌が悪い場合には有用なこともあります。ただし、生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんが高熱を出した場合は、尿路感染症や髄膜炎などの細菌感染の可能性が高くなるので、救急を受診してください。

またお子さんの急な腹痛もよくあります。この場合は便秘によることが多いので、まずは浣腸をしてみてください。便が出て腹痛が治まれば、受診の必要はありません。こういうことがちょくちょくあったり、便が固くて排便時に苦しがったり、お尻から時々出血するといった場合には、一度小児科を受診されて便秘の治療を受けられることをお勧めします。

それから、お子さんがケガをしたり、ヤケドをしたりっていうのもよくありますね。こういう時、これまでだったら消毒してガーゼを当てて…でしたが、今は違います。傷は消毒してはいけないし、ガーゼもNGです。すり傷の場合、砂とか土などの異物が入っているときは水で洗って取り除き、サランラップを当てておいて翌日に湿潤療法をされている医師に診てもらってください。ヤケドで水ぶくれが破れた時も、冷水で少し冷やした後でサランラップを当ててください。白色ワセリンがあればそれを傷口に塗ってあげるといいです。ただし、縫合を必要とするケガや、広範囲のやけどの場合等は速やかに医療機関を受診してください。

ということで、サランラップはほとんどのご家庭にあると思いますが、解熱剤(アセトアミノフェン)と浣腸液くらいは常備薬として置いておかれるといいと思います。あと、嘔吐や下痢の時のために経口補水液(液体またはゼリー)なんかもあるといいですね。前々回のブログにも書きましたが、小児救急体制を守るためにもできるだけ不要な救急受診は控えていただきたいと思います。

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