• 2022年7月4日
  • 2024年10月20日

小児科クリニックの悲鳴

またまた新型コロナウイルスの感染者が急増してきました。感染力をさらにアップした「BA.5」という変異種の流行によるもののようですね。オミクロン株になってから小児の感染者が急増し、一時は小学生の感染者が非常に多かったのが、最近では幼児が中心になってきました。幼児は特に両親との距離も近いので、両親にもほぼ確実にうつってしまいます。しかし、今回の流行の問題はそれだけでなく、7月初めからRSウイルスや手足口病、あるいは迅速検査では診断できないウイルスによる発熱(いわゆる夏風邪)が急に増えていたところに、今回の新型コロナウイルスの再流行がきていることです。熱があるからといって全員コロナの検査をするのは無駄ですし、検査キットの入荷も滞りがちになってきていますので実際に不可能です。そうかといってコロナを完全に否定できるかと言われると難しい時が少なくありません。そこは、医師の判断ということになりますが、コロナでないことを確認しないと親御さんが仕事に行けないという場合もあって悩ましいです。

最近、診療予約があっという間に埋まってしまい、当日にはすでに予約が取れない日が続いていて申し訳なく思っています。これは当院に限らず、コロナの検査をされている小児科クリニックでは同じような状態と思われます。そのため当院では患者さんの状態を看護師が電話でお聞きして、すぐに受診が必要と判断される場合以外は様子を見ていただき、必要なら翌日以降に受診していただくように説明しています。しかし、今はその件数も多いために、お電話させていただくのがかなり遅くなってしまっていることもあるかと思います。看護師も外来診療と電話対応の両方に追われて奔走していますが、それでも十分な対応ができないことがあることを心苦しく思っています。私としても、できるだけ多くのお子さんを診させていただきたいのですが、他の病気のお子さんや発育の評価&アドバイス、予防接種なども小児科医として大切な仕事なので、時間的にも体力的にも限界がありますことをご了承ください。

なお、薬局で抗原検査キットが入手できれば、発熱してから少なくとも半日以上経った時点で検査をしていただき、陽性であれば判定時の写真を撮っていただき、受診していただくのもいいですね。ただし、「お知らせ」にも書きましたが、検査キットは国が承認した「体外診断用医薬品」と記載のあるものを使用してください。ネットなどで入手できる「研究用」のものは信頼性に乏しく、判断の根拠にはなりませんのでご注意ください。

新型コロナウイルスに対する制限は徐々に軽減されてきてはいますが、それでも今のような陽性者に対する隔離措置や全例届出を必要とする状況が続く限り、医療機関や保健所の負担は大きいままです。最近は医療機関の感染も増えてきており、自分自身やスタッフもいつ感染するかもしれないという状況の中で、一日中ほとんど休憩なしの日が続くこの状態が1日も早く終わるのを首を長くして待っています。。。

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