• 2020年5月17日
  • 2024年10月20日

正しく怖れて、適切に行動を!

今日は小児の救急当番でしたが、すごく少なかったです。学校も休みだし、家にいるからあんまり風邪も引かないでしょうね。それと、風邪を引いても必ずしも病院に行かなくても大丈夫だってことを実感した方も少なくないんじゃないでしょうか。鼻水は家で吸ってあげたらいいし、咳は薬を飲んでも飲まなくても多くは自然に治ります。ただ、時にはなかなか改善しなかったり、悪化するお子さんもありますので、その時は受診が必要です。風邪薬ってお子さんには効かないだけじゃなく飲まさない方がいいですし、抗生物質も風邪の大部分を占めるウイルス感染症には無効で、細菌感染の予防としての投与は正常な免疫がある状態ではすべきではありません。中耳炎も大部分は抗生物質を使わなくても治りますから、お子さんの感染症で抗生物質が必要な場合は限られます。ただし、本当に必要な時にはしっかり使う必要がありますから、医師に確認せずに途中でやめたりしないでくださいね。
 
不要な受診をしないことはいいことですが、必要な受診は控えるべきではありません。当院もいざという時のためにオンライン診療に対応できる準備はしていますが、今はその必要はなさそうです。また、感染を心配して予防接種を受けるのを遅らせるケースが問題になっているそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200429/k10012410471000.html
新型コロナウイルスみたいにワクチンが無い病気は予防が難しいですが、ワクチンがある病気はそれによって予防できるので、受けられる年齢になれば遅らせずに受けてください。
 
また、そろそろ暑い日が増えてきますが、このところ外で遊んでないお子さんも多いと思います。現在、ほとんど感染は収束していますし、そもそも公園などで子どもが遊ぶことを制限する必要はないと私は思います。運動不足やストレス解消だけでなく、熱中症予防という意味で気温の上昇に身体を慣れさせるためにも、適度の外遊びや運動をさせてあげるといいと思います。
 
テレビをつけると毎日、新型コロナウイルス感染症についての番組をやってて、専門家やどうしてこの人が?という人まで、いろんなことを言ってますね。しかし、専門家と称する人でも言うことが違ってることが少なくありませんし、マスコミ報道はやたらと不安を煽るような内容が多いですね。確かにコロナの患者さんを受け入れる医療現場の大変さは切実ですし、医療崩壊を来さないための体制は不可欠です。一方で、経済の打撃による影響も深刻化してきており、いわゆる「出口戦略」が模索されてきています。
 
日本で感染流行のコントロールがうまくできてきているのは必ずしも対応が的確であったからではなく、たまたま運がよかった可能性も高そうです。というのは、1月初旬に武漢から入ってきたウイルスとダイアモンド・プリンセス号で検出されたウイルスは特にこれという対応をしていないのにも関わらず収束していますし、3月中旬以降の流行においては、例えば東京では一時ルートが追えない感染者が大半を占めたにも関わらず収束してきています。専門家会議や政府の説明ではこのことについてあまり触れられていませんが、ここを詳細に分析している人たちもいます。
https://abofan.blog.ss-blog.jp/2020-05-05
これからはこれまでの対応の効果について検証し、根拠に乏しい制限については解除していく必要があると思います。
 
今後もまだ断続的に感染流行が起こると思われ、基本的な感染対策は継続すべきですが、大事なことは正しく怖れ、適切に行動することです。情報が氾濫している今日、何が正しい情報なのかを見極めるのはなかなか難しいですね。これからも、重要な情報については少しずつでも発信していきたいと思います。

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