• 2020年3月1日
  • 2024年10月20日

新型コロナウイルスについて

約3ヶ月ぶりのブログ更新です。新型コロナウイルスの感染が、世界的に広まってきていますね。このウイルスについてはまだよくわかっていないことも少なくありませんが、感染性は高いものの軽症で終わることが多いことがわかっており、致死率はせいぜい季節性インフルエンザ並みであろうと考えられています。つまり、多くの場合は重症にならずに治るのであって、もしかかってしまったら大変なことになるというような恐ろしいウイルスではなさそうだということです。ちなみに、季節性インフルエンザでも毎年3,000人以上の患者さんが亡くなっていて、しかもこの数字は肺炎を併発したり、持病が悪化してほかの病気で亡くなった場合は含まれていません。
 
特に小児においては軽症が多く、重症例はほとんどないようなので、心配しすぎる必要はないと思います。ただ、症状が軽いだけに、ふつうの風邪と区別がつかない可能性が高いですね。現在は急激な感染拡大を防ぐという初期の段階、いわば時間稼ぎをやっているわけですが、新型のため誰もが免疫を持たないこと、感染力がかなり強いらしいこと、軽症あるいは無症状の感染者が多いことなどから、感染が拡大することは避けられないと思われます。
 
インフルエンザのように短時間でわかる迅速検査はなく、現在おこなわれているPCR検査も1回の検査では陽性にならないことも少なくないようです。また、多くは軽症で、有効な薬もありませんので、軽症例や無症状の患者さんを片っ端から検査をするのは医療費の無駄遣いで、意味がないと思います。むしろ、検査を希望して医療機関に多くの患者さんが殺到することで、医療の崩壊が起こることの方が怖いです。大事なことは、重症な患者さんをしっかり治療する体制を作ることで、検査も主に肺炎を起こしているような患者さんに優先的にすべきだろうと思います。そのためには、感染が広がってきたら早い段階でふつうに診療できる体制にならないと困ります。患者さんが出て休業に追い込まれる医療機関が増えると、さらに医療体制が崩れますからね。
 
できるだけ感染を広めない、あるいはもらわないためには、軽い風邪症状ではなるべく医療機関を受診しないこと(風邪薬はもともと効きません)、もうひとつは急に熱が出たからといって安易に救急を受診しないこと(これが一番危ない)をお勧めします。一方で、呼吸が速い、胸とお腹の境をペコペコさせる呼吸(陥没呼吸)などを伴う場合は、早急に医療機関を受診してください。それと、お年寄りや比較的重い持病を持っている人は重症化しやすいとされていますので、十分注意してください。

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