- 2025年8月7日
HPVワクチンについて
2022年4月からようやくHPVワクチンの積極的接種勧奨が再開されましたが、残念ながら接種率はまだまだ低い水準にとどまっているようです。
HPVワクチンはB型肝炎ワクチンとともにがんを予防するワクチンで、接種することにより子宮頸がんのリスクを大幅に減らすことができます。早期にHPVワクチンの接種を取り入れた国々では、HPV感染および子宮頸がんの前がん状態が有意に減少してきていますが、日本ではリスクを抱えたまま成人になるお子さんが多いのが大変残念です。
当院でも小学校6年生から受けていただくようお勧めしていますが、中には「今はまだいいです」とか、「中学2年くらいで受けようかと思ってました」と言われるお母さんも時におられます。初回接種が15歳未満であれば2回接種でもいいというのは、早い時期に接種するとより免疫がつきやすいからであって、先延ばしするメリットはありません。うちの娘は2価のワクチンの時代でしたが接種していて、社会人になってから受けた子宮がん検診で再検査となり、ワクチンを受けていても一抹の不安がありました。もし受けていなかったなら、もっと心配は大きかったでしょう。
「注射は痛いから嫌」という気持ちはよくわかりますが、受けないで検診でひっかかったり、ましてや子宮がんに罹ったら絶対に悔やまれると思います。定期接種になった早々にマスコミによって報道された副反応と疑われた症状は、いずれもHPVワクチンとは関係ないことが証明されており、定期接種年齢を過ぎてしまっていても是非とも受けていただきたいワクチンです。HPVワクチンについて不安やわからないことがありましたら、いつでもご相談ください!