インフルエンザ以外の任意接種の問診票です。ダウンロードしてお使いください。
予防接種の目的は、感染症およびその合併症から個人を守るとともに、集団あるいは社会を守ること、さらには免疫力が低下しているひとを守ることです。感染症が猛威を振るっていた時代は、集団防衛が個人防衛よりも優先されましたが、ワクチンや衛生状態の向上によって疾病の発生が少なくなってきますと、集団よりも個人の方が重要視されるようになってきました。そして、ともするとワクチンの恩恵を忘れがちになり、まれな副反応が強調されすぎてワクチンの必要性が薄れてしまったような誤解が生じてきます。しかし、過去の教訓が証明しているように、現在はワクチンによって流行が抑えられている疾患も、少し手を緩めれば再び流行し、死亡したり合併症に苦しむ患者さんをたくさん生み出すことになります。
ワクチンの接種後にはある割合で、生体にとって不利益な反応(有害事象)が起こります。その中には本当の副反応も含まれますが、これは注射後の局所の発赤や腫れ、一過性の発熱などで、重篤なものは非常に稀です。一方、接種後の帰宅途中に蜂に刺されることもあるかもしれませんが、これは有害事象ではありますが予防接種と無関係であることは明らかです。また、インフルエンザに感染した潜伏期にインフルエンザワクチンを受けて翌日に発熱した場合も有害事象ですが、これもおそらくワクチンとは無関係です。しかし、実際にはこうした有害事象がしばしば副反応と混同されたり、誤解されているのが現状です。
最近はワクチンの安全性(特に副反応)ばかりに注目される傾向がありますが、ワクチンのメリットとデメリットを考える場合には安全性とともに、接種することによる有効性についてもしっかり目を向けて、両者をきちんと評価した上で客観的に論じられなければなりません。マスコミやネットの情報の中には偏った情報やデータに基づく記事が少なからず見受けられますので、疑問や不安がある場合はかかりつけの小児科医に相談してください。なお、予防接種と因果関係があると認定された重篤な健康被害に対しては、定期接種であれば予防接種法に基づく健康被害救済制度、任意接種であれば医薬品副作用被害救済制度により保証されます。