- 風邪を引いている時に入浴してもいいですか?
- 風邪を引いていても熱はないか微熱くらいで元気があれば、疲れない程度の入浴は差し支えありません。逆に高熱時や、熱はあまりなくても元気がなくて食欲もないようなときは、身体を拭く程度にしてください。季節にもよりますが、基本的にはお風呂はからだの汚れを取るものと考えてください。
- 熱があるのに抗生物質は要らないのでしょうか?
- お子さんの発熱をきたす原因の大部分はウイルス感染症です。ウイルスに対しては抗生物質は無効であるだけでなく、時には重大な副作用を起こしたり、抗生物質が効きにくい耐性菌を増やす原因にもなります。また、最近健康との関係が注目されている腸内細菌にダメージを与えるため、特に2歳までのお子さんにはなるべく飲ませないことが推奨されています。当院では身体所見や検査所見から必要と判断した場合にのみ、抗生物質を処方するようにしています。抗生物質に限らず、お薬について疑問がある時は遠慮なくお尋ね下さい。
- 解熱剤を使ったのにあまり下がらないが、どうすればいいでしょうか?
- 解熱剤を使っても、タイミングなどによってはあまり効かないことは珍しくありません。そういうときは解熱剤だけに頼らず、脇の下や首筋など、太い血管の走っているところを冷たいタオルなどで冷やすと効果的です。ただし、熱はからだがウイルスなどと戦っているので、むやみに下げることは逆効果になることがあります。
高熱のために眠れないとか、ひどく不機嫌で水分も十分とれないときには少し下げてあげた方がいいでしょう。逆に、熱があっても比較的元気で水分も十分に摂れていれば、無理に熱を下げる必要はありません。 - 受診のタイミングについて教えてください
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たとえば急な発熱の場合は、それまで元気にしていたのなら緊急性はほとんどないので、翌日あるいは週末なら週明けまで待ってよいでしょう。ただし、3ヶ月以内の赤ちゃんの38℃以上の発熱や、咳、嘔吐、下痢などの熱以外の症状がひどい場合、水分も摂れずぐったりしている場合などは、早めに小児科医に診てもらってください。
熱はなくても嘔吐や下痢が頻回で元気がなく、尿の回数が少ない場合なども早く受診する必要があります。また、気管支ぜん息は夜間に症状が悪化しやすいので、昼間に症状が出て来た場合にはその日のうちに診てもらっておきましょう。それから、具合が悪いときほどなるべく早い時間帯に受診してください。すぐに病院へ紹介する必要がある場合などに、夕方以降に受診されますと紹介できる病院が限られるからです。『リンク集』の中の「こどもの救急」(厚労省研究班/日本小児科学会監修)や各都道府県の『小児救急電話相談』などもご利用下さい。
- いつまで薬を飲めばいいのでしょう?
- これはお薬によって違います。抗生物質や抗ウイルス薬などは、特に医師の指示がなければ出された分を全部飲み切る必要があります。そのほか、種々の慢性疾患では症状がなくても長期に飲んでいただく必要があることが多いので、勝手にやめてしまったりしないようにしてください。
不作用が疑われる時や続けるべきかどうか判断に迷うときは、薬を処方してもらった医師に確認してください。 - 風邪は早く薬を飲めば早く治りますか?
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最近、小児科のグループが検証した研究によると、いわゆる咳止めには明らかな効果がみられないという結果でした。また鼻水を止める薬として使われている抗ヒスタミン薬はアレルギー性鼻炎や花粉症には有効ですが、風邪には効果が乏しいことがわかっています。風邪は薬で治すものではなく、基本的には自然経過で治っていきます。ただ、鼻汁がかめるようになるまでは、症状が強ければ吸引してあげてください。
呼吸が速く息づかいが荒い、顔を赤らませてひどく咳き込む、ケンケンという犬が吠えるような咳が出るなどの場合には、早めに小児科医の診察を受けましょう。 - 食物アレルギーが心配ですが、アレルギー検査を受けた方がいいですか?
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食物アレルギーの症状は、発赤や軽いじんま疹程度からアナフィラキシーと呼ばれる重症なものまで様々です。これまでは血液検査などで陽性であった場合、しばらくその食品の摂取を制限したり除去するよう指導されてきましたが、最近では除去することにより食物アレルギーが長引いたり、場合によっては悪化することがわかってきました。食物アレルギーは食べることによって発症するのではなく、主に皮膚から感作されて発症すると考えられています。一方で、腸には食物アレルギーを起こさない方向に働く「免疫寛容」という機能が乳児期の比較的早期から発現し、1際を過ぎるとだんだん減弱していくとされています。離乳食の開始が遅れたり、特定の食品の除去(特に完全除去)を続けると免疫寛容が働かず、食物アレルギーのリスクが高まります。
当院では、湿疹の強いお子さんには食物アレルギーを予防するための指導をおこない、リスクが高いお子さんには必要に応じて微量投与などの積極的な介入をおこなっています。食べると口のまわりが赤くなる程度の症状や、単に心配だからというだけでは検査は不要で、食べ続けていればそのうちに出なくなります。明らかな食物アレルギーを発症した場合には食べていただくための参考に検査をしますが、その場合も完全除去はおこなわず、少しでも早く摂取できるように微量投与をおこなっています。赤ちゃんの時期の食物アレルギーは一部を除き、ほとんどが短期間で食べられるようになります。お子さんの食物アレルギーがご心配な方は、お気軽にご相談ください。 - 乳児期の予防接種を受ける順序はどうすればいいですか?
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最近は日本でも乳児期に受けられる予防接種が急に増えて、どの順番で受けていけばよいか迷われることも少なくないかと思います。現在推奨されている接種スケジュールは同時接種を前提としており、当院でもそのようにしております。同時接種とは1回の接種で複数の種類のワクチンを接種することで、原則としてその種類の数や組み合わせについては制限はありません。同時接種の安全性と有効性はすでに世界的に確立されており、最近では日本でもかなり浸透してきましたが、ご心配な方は医師と相談してください。
同時接種はお子さんに一度に何回か針を刺さないといけないという欠点がありますが、お子さんが多くの疾患に対して早く免疫をつけられる、病院へ通うための負担が少なくてすむ、接種後に偶然おこる健康被害(有害事象)が少ないなどの利点があります。
予防接種スケジュールについてはKNOW VPD!や日本小児科学会のホームページに掲載されています。それぞれのサイトのアドレスは『リンク集』をご覧ください。また、前者のサイトにはスマートフォンやiPhone用のアプリも無料でダウンロードできるようになっています。
- 新型コロナウイルスが心配ですが、どういう時に受診すればいいですか?
- これまでの情報では、小児の新型コロナウイルス感染症はほとんどが軽症または無症状であり、重症化したり特別な治療を要することは稀です。また、大部分が家族内感染(家族の大人からの感染)で、お子さんが家庭や園・学校で感染を拡げる可能性は低いと考えられています。新型コロナウイルス感染症の症状はふつうの風邪と区別することは難しく、家族に疑わしい方がおられなければ、可能性は非常に低いと思われます。
鼻水や咳だけで元気なら受診する必要はなく、小さなお子さんはご家庭で鼻水を吸ってあげたり、鼻をかむ練習をさせるといいでしょう。風邪は自然に治るものであり、風邪薬は有効性に乏しく、当院では最近では咳止めや鼻水を止めるお薬はお出ししておりません。
一方、高熱が続いてグッタリしている、息が荒くて苦しそうにしている、嘔吐や下痢がひどくてぐったりしている時などは早めに受診してください。もし早い時間帯に予約が取れない場合は、医院に直接お電話ください。
- 新型コロナウイルスが流行ってきたら、予防接種は延期した方がいいでしょうか?
- ワクチンがある病気はこれによって発症を予防できたり軽く済ませることができますので、接種できる時期(年齢)がきたら延期をせずに受けるようにしてください。当院では予約制で予防接種だけの時間を設けており、接種後の体調不良などにも対応させていただいております。
なお、3日以内に発熱した場合や咳がひどい、食欲がないなどの体調不良のある場合には原則として接種はできませんので、前もってお電話で連絡ください。
- 1歳の子どもなんですが、マスクをさせた方がいいでしょうか?
- マスクは適切に装着した場合、咳やくしゃみをした時などに飛沫を飛ばすのを防ぎ、他の人に感染をうつさないようにするためのもので、健康な人の感染予防効果は限定的です。また、就学前の小さいお子さんでは適切にマスクをすることは難しく、しょっちゅう触ったりして逆に不潔になる可能性も十分あります。また、乳児や呼吸障害がある場合には、マスクは呼吸状態を悪化させる可能性があるので危険ですのでさせないでください。さらに、暑い環境や運動中のマスクも危険ですし、人が密集するところでなければマスクは必要ないでしょう。学校(屋内)など必要な場所では、正しく使用しましょう。
- のむら小児科では新型コロナウイルスの感染予防対策はどうされていますか?
- 当院では新型コロナウイルス感染対策として、待合室のおもちゃや絵本を撤去させていただいていましたが、2020年11月からまた置いています。当院は完全予約制で、インターネットで予約される際に簡単に症状を記入していただくようにしております。発熱や咳などの症状で予約されている患者さんにはあらかじめ当院からお電話で症状の確認をさせていただき、来院されたら診察室とは別の部屋で診察させていただきます。診察が終わったら次の患者さんに入っていただく前に、部屋の換気とドアノブなどのアルコール消毒を行います。待合室には基本的に感染症以外の患者さんだけが待っていただくようにし、一緒に待っていただく人数もなるべく多くならないようにしています。
職員はマスク着用と手洗い、そして院内の換気という基本的な感染予防対策を継続しておこなっております。一方、効果が疑問視されている対策についてはおこなっておりません。コロナの患者さんについても院内の別室で診察し、検査もそこでおこないます。何か疑問に思われることがありましたら、お気軽にお尋ねください。